アルカトラズ島。
サンフランシスコから僅か2.4kmに位置する小さな島。
“ザ・ロック”,“監獄島”とも呼ばれました。
島との海峡には不思議な潮流が流れ,まさに近くて遠い,世間とは隔絶された異空間を形成していました。
(この潮流が数々の脱獄犯を呑み込んでいくわけですが。)
かつては軍事要塞としてサンフランシスコ湾を守り,その後軍事刑務所を経て連邦刑務所として利用されます。
世に有名な“アルカトラズ刑務所”です。
数々の映画の舞台や題材になり,その名は広く知られています。
また,シカゴの暗黒街の大ボス,“アル・カポネ”が収容されていた事でも有名です。
このベルトは“ガード・ベルト”と言いますが,刑務所の所長クラスのお偉いさんがしていたベルトをイメージしています。
そのベルトを地元サンフランシスコの怪しいキュリオショップの主人が刑務所のお偉いさん達から買い取って,そのままでは味気が無いので色々なスタッズを自分でこのベルトに打ち込んで,更にシルバーのバックルを付けて観光客などを相手に「これはアルカトラズのお偉いさんが使っていたベルトだよ。」と,もっともらしい事を言って売っていたベルトという事になっています。
“キュリオショップ”とは骨董品や珍品,奇品などを取り扱う胡散臭い土産物屋のようなもので,世界の珍品や歴史にまつわる物や,有名人が使ったとされる雑貨など,ありとあらゆるウソ臭い物が堂々と事実のように言い張って売られています。
ウソと分かっていても,ひょっとしたら本当かもしれない,そんな小さな夢が買えるわけです。
ベルトの革には渋なめしのブルハイドを使用しています。
このようなシボのある革は若干伸びる事もある為本来ベルトにはあまり適していないのですが,あえてこのゴツゴツした革の表情とスタッズとの相性等全体の雰囲気を重視してこの革を使用しています。
ベルト幅は約31mmと,ちょっと細めです。
バックルはスターリングシルバー製でネイティヴ柄調の装飾が施されていますが,バックルの四隅には蛇のような形状でアルカトラズを表す“AZ”とサンフランシスコを表す“SF”の文字が刻まれています。
またスタッズについては,本来スタッズは馬の鞍やバッグや革張りの椅子や銃のホルスターなどありとあらゆる物の留め具に使用されていた物で,大小様々な物が有り,無地の物も有れば,使用する箇所によって印になるような番号やアルファベットなどの文字が刻まれているものも有ります。
また,文字が刻まれたスタッズを組み合わせて自分の名前に並べて打ち込み,名札代わりにも使用していました。
このベルトに使用されているスタッズも,キュリオショップの主人がその辺に転がっていたカバンや鞍などありとあらゆる物から外したスタッズをベルトの装飾用に再利用したということなので,無地の物や色々な文字が刻まれた5種類の大きさの真鍮のスタッズが打ち込まれています。
文字がランダムという面白さが有りますし,物によって黒ずんでいたり凹んでいたり非常に味わい深い表情を醸し出しています。
このベルトはサンフランシスコという特異な街=ボヘミアンの街でもあり,全てを受け入れ,何でも有りの街の気質を表現したベルトでもあります。
ここはひとつジェンコというキュリオショップの主人に騙されたと思って,こんな奇物を身に付けてみてはいかがでしょうか。









